セミナーQA集 『自立して堂々と生きていこう』
SEMINAR QA
昨年まで金の価格が上がっていましたが、なぜですか? 金への投資についてどう思いますか?
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回答者による回答
9年振りの高値更新理由や保有意義は下記の通り弊社社員が言及しているので、私は説明を割愛します。もし金を保有するなら延べ棒か金塊のような現物がいいですね。短期間で売ることを前提にせず、また価格変動に右往左往するのではなく徐々に買い増していくイメージです。空き巣や災害時の持ち出し不可リスク(重い)はありますが…。話は飛び、以前FRBが保有する大量の金を実際に目の当たりにしたのですが、あれには人を魅了する魔力がありますね。なお私は金を持っていません。
紙幣と異なって金自体に価値があり、有事の際には金への交換ニーズが高まるためです。私は今後の需要が不明なため金には投資はしません。中国やインドでは富と繁栄、美や幸運を象徴するものとして祝い事に欠かせない存在らしいのですが、文化が変われば金の需要は大きく変わると思うのです。私には中国やインドで住んだ経験がありませんので、そのあたりの機微が分かりません。また金は金利を生まないため、価格は需要と供給のみで決まります。株式ですと需給に加えて企業自体の成長によっても価格の上昇が期待できますので、私は財産づくりには金よりも自分のよく知る企業への株式投資が良いと考えています。
社会情勢が不透明になると、投資家はリスク回避のため金を購入し価格が高騰します。コロナ禍で一部の投資家は株式や債券よりも金の方が価値を保てると考えたようです。金への投資について、アセット・アロケーション(資産配分)の観点ではあり得ると考えています。しかし金は配当を生みませんし、需給で価格が決まるため投機的な性質を帯びやすいです。株式であれば背景に企業という実体がありますので、目利き力があればきちんとした“投資”になります。個人的にはアセット・アロケーションの観点も含めて投資信託に任せてしまうのが良いと思います。
金余りの中で投資する先を求めて多くの商品の価格が高まっている状態です。先行き不透明な状況で安全な金を選ぶ投資家も少なくなかったと思います。金自体否定するつもりはありませんし、ゆっくり長い目で投資するには悪くないと思いますが、あくまで物の相場に対する投資です。世の中に製品やサービスを提供し続ける企業に投資することが投資の本質であり、私たちの生活が豊かになる条件ではないでしょうか。
米中関係の悪化、米国金利の下落に伴うドル指数の下落から安全資産とされているとして金が買われたと言われています。私は金は投資の対象ではないと考えます。投資とは株式など成長が期待されるものにお金を投じることです。金は成長よりも安全資産として保有する方が良いと考えます。逆相関の関係にある金と株式が共に上がっているのは、中央銀行が金融緩和をして余ったお金が流れ込んでいるからです。
金は通貨の代替手段として、国際情勢や経済の先行きが不透明になると買われやすくなります。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大、米中対立の激化、米大統領選挙と逃避的に金が買われやすい地合いにありました。加えて世界各国の中央銀行および政府による未曾有の金融緩和と財政出動により通貨の信認が低下しつつあることや、ETFを通じた中長期の投資が増加していることも金価格の上昇の背景にあるものと見ています。トレーディング益追求の対象として金を選択することは否定しませんが、金自体がリターンを生む存在ではないため、さわかみファンドではアセット・アロケーションの中で金を選択することはあっても長期投資の対象にはならないと考えています。
量的緩和の影響で世界の基軸通貨である米ドルが過剰に流通(米ドル安圧力)してしまう懸念が高まり、相対的に供給量が限られている金の価格が上昇したと考えられます。金は宝飾品や工業用の需要だけでなく、資産運用の一つとして需要が高まっています。これからも米ドルの供給量が増加すると考えれば、相対的に生産量に限りのある金への投資妙味は維持されると思われます。もう一点加えますと、今までは株式と債券の組み合わせが資産運用の主流でしたが、低金利による債券への投資妙味が薄れてきたため、その代替資産として株式との相関が比較的に低い金への需要が高まったと考えられます。しかし、これからワクチンの普及にともない、実体経済の回復が見込まれる場合、経済の正常化による恩恵をより受けやすい株式の魅力が増すと思われます。つまり株式が主役で、金は脇役的な存在になるでしょう。
金融緩和や財政出動により現金がバラまかれその価値が下がってしまうこと。経済悪化への懸念がより安全なものへと資産を避難させるという考え方に繋がり、金への投資に注目が集まったのだと思います。金への投資は一時的に資金を避難させる時に必要ですが、外部要因で価格がつけられる金が長期での資産形成のメインになることはないと思います。
これだけ世界中でお金を刷っていると相対的にお金の価値は下落し、金の価格は上昇していきます。金の価格は株価と相関が小さいのが特徴で、分散投資の手段として有効であると思います。留意点は売買時の手数料があること、保有5年以下での売却では税金が高いこと、利子が付かないこと、購入と売却の価格には差があることなどです。以上から投資の主軸は株(投資信託)としても、一部は金投資で良いと思います。
世界が財政出動・金融緩和を続けた結果、マーケットに溢れたマネーの一部が現物価値としての信認が厚い金に向かい価格上昇に繋がったことが大きな要因です。個人的には資産運用として金を保有することをあまり前向きには捉えていません。流動性の観点からも貨幣や株式等有価証券ほど即時性に長けていません。ただし、何か別に目的があれば保有するもよいかと思います。私は20年来純金積立てをしています。目的は娘が嫁ぐときに記念に地金で渡そうと思っているからです。