セミナーQA集 『自立して堂々と生きていこう』
SEMINAR QA
企業の成長を応援するよりも、自分の利益確定に走ってしまいます。私のような投資の考えでは、いずれ破綻しますでしょうか?
- #投資運用
- #ファンド売買
回答者による回答
ご自分の利益を最優先する…まったく問題ないですよ! すべての投資家、ならびにすべての人が同じです。もし不安要素があるとするなら、期間の定めを行い、どっしりとした軸を持てていないことかもしれません。例えば、ご自分の利益が少し先の未来に必要だとすれば、企業成長を応援することこそが理にかなった投資方法になります。利益の源泉は二つ。一つは価格変動で、もう一つは投資先の成長からもたらされるものです。一つ目の価格変動を当てるのは難しく、投機的要素が強いと考えます。他方で二つ目の「成長からもたらされるもの」は、時間こそかかるものの過程を共に歩むことができ、資産運用で非常に重要な再現性を確保できます。子供の成長を見守るように、学校のテスト結果に一喜一憂するのではなく、その子の人生を補助する感じでワクワクするものですよ。ちなみに、企業の成長は社会の成長に繋がり、社会の成長は人生に豊かさを与えてくれます。つまりそれこそがご自分を含めた公共の利益であり、その成長を支えた投資家に利益が戻ってくる…全部ご自分の利益です。ですので、企業成長の応援と自己の利益確定は相反するものではなく、時間さえかければ同一となります。それができないのが短期投資、誰かの得は誰かの損というゼロサムゲームです。
推察するに、ご質問者さまは企業への応援をしたいという想いはあるものの、相場に振り回されて、どうしてもご自身の利益を優先してしまっているのだと思います。可能性として、投資金額が大きすぎるために心配になってしまっているのかもしれません。その場合はシンプルで、生活に支障の出ない範囲の金額で投資をしてみてください。また、企業の成長を信じてドッシリと応援してみるのも大切です。当然ながら見極めは必要ですが、理念を持った強い企業であれば、外部環境の変化を乗り越え成長していけると私は考えています。
レバレッジをかけるなどご自身の投資額以上の投資をしなければ、破綻はしないと思います。ただし利益が出るたびに引き出してしまうと、税金もあり資産が増えづらくなるので運用の効果を得るのは難しいでしょう。一方で、企業に応援投資をするという観点で投資をすると、株価が下がった時に応援買いができたり、つみたて投資をしていて評価損が出ているときでも、投資をやめずに続けられるといった視点も持つことができると考えます。ですから、企業の成長にのせて投資をしていくと考えるのであれば、結果的に長期目線の運用をすることができ、資産が増えやすくなると思います。
短期的な投資スタイルで財産を築いている方も世の中にはいらっしゃいますので一概に破綻するとは言い切れないと思いますが、利益確定に走ってしまうということは、日々の株価動向が気になられていませんか?それによって夜も眠れないというような状況に陥っておられないでしょうか? もしもそのような状況にあるのであれば、お客さまは30代であり、二度と戻らない青春の日々(人生はずっと青春です!!)を株価に踊らされて過ごすのはもったいない。ご自身の人生をどう過ごしたいか改めて考えてみてはいかがでしょうか。その結果として投資スタイルの見直しの必要があればすべきと考えます。ちなみに私は、短期的な投資スタ
イルに疲れたタイプで、長期投資がベストだと思って人生を過ごしています。
一般的な個人投資家が自らの利益のために投資することは何も問題ありません。私自身かつては個人投資家で、現在さわかみの社員である身として恥ずかしながら応援や社会貢献など考えたこともありませんでした。企業の将来性よりも株価の上下動でのサヤ取りで利益をあげていました。しかしそうした投資手法では時間的・精神的に苦痛があった上に、法改正によりキャピタルゲイン課税が大幅に高くなったのをきっかけに、まずまずの会社を安値で買うより、素晴らしい会社をまずまずの価格で買い保有し続ける手法に変更しました。この変更は何も応援とかという意味でなく、自分の利益を考えての変更でした。しかしそんな自己本位の考え方が長期投資の必要性を訴えていたさわかみ投信と、結果的に手法が似ているところが面白いところです。
相場を追いかけると目先の動きに振り回されて大変疲れます。その結果、大したリターンが得られないことが多いです。格言には「ミスターマーケットとは仲良くするな」とも言われますね。世界の人口が増え経済成長をプラスサムで享受するのが長期投資ですから、突発的なアクシデントの時に応援買いするのが結果として儲かってしまうことだと思います。よく例えますのは「1メートル位の長い箸を持った人たちが流れてくるうどんを食べようとしている。片方ではそれを自分で食べようとしてうまく食べられないでおなかをいつもすかしている。もう一方ではお先にどうぞとお互いに食べさせあって幸せそうにしている。こちらが長期投
資ですよ」とお伝えしてます。ご一緒によい社会をつくってまいりましょう。何があってもなくならない人間の生活の部分に資金をシフトするのが長期投資の基本ですので、ご安心いただいてよいかと思います。