セミナーQA集 『自立して堂々と生きていこう』
SEMINAR QA
世界の相場が上昇したことで運用総額は増えていると思いますが、
将来的にどのくらいまで増やしたいですか?
- #投資運用
- #会社全般
回答者による回答
運用総額は大きいほど良いと思っています。社会を動かすインパクトとなり、日本で資金の循環が生まれるからです。これはインデックスファンドのようなお付き合いで株式市場に投下されるマネーとは性質が異なります。なぜなら長期投資家がしっかりと企業の目利きを行い、私たちの生活を支えるところや、今後の日本に必要となりそうな企業を選ぶためです。お金が回ってこないゾンビ企業は淘汰され、企業の新陳代謝の活性化につながっていくでしょう。このように、長期投資を行う上では金額が大きいほどその存在感は増すと考えています。もちろん投資したお金は直接的に企業にいくわけではありません。しかし約1,000兆円もの資金が預貯金に眠り有効活用できていない中で、その一部でも企業への投資へ回る効果は大きいはずです。長期投資家によるマネーにより、日本経済を大きく動かす原動力としていきたいと思っています。
私は1991年から約5年間、大学院への留学と現地ベンチャーへの就職で米国ハワイ州に滞在しました。特に社会人学生の同僚たちが、日常的にミューチュアルファンドで学費を貯めていました。9割が留学生という専攻分野(バイオシステムエンジニアリング科)で、中国人と台湾人の友人が「Oh! This is capitalism!」と笑いあえるような環境でした。あの光景が80~90年代米国での投資信託の大衆化の私の原体験です。帰国してから、あんな感じで投資ができたらと思っていたところでさわかみファンドと出会いました。歴史を紐解けば、米国投資信託の株式ファンドの投資口座数は1981年の1750万から1999年の2億2770万と13倍以上に増加したそうです。同じことがこれからの日本で起きても違和感がないと思っています。ですから、ここから10倍ぐらいのお客さまとのご縁ができることを想定しています。当然ながら基準価額も当社の長期投資のリズムで積み上げていきますので、口座数との掛け算で運用総額は結果的に増えていきます。
基準価額の上昇により純資産総額が増えることは、ファンド仲間にとってもさわかみファンドにとっても喜ばしいことです。ただ、さわかみファンドは本格的な長期投資で世の中をおもしろくしていこうとしているので、将来的にファンド仲間が100万人を超え、その過程において純資産総額が増えることが重要だと考えます。さらに、大都市圏に偏ることなく全国各地に満遍無くファンド仲間が増えることによって、多くのお金が長期投資に流れ、増えたお金をファンド仲間がかっこいいお金の使い方をすることによって、お金が回り地方経済の回復から日本の経済成長につながります。ですので、純資産総額をどれくらいまで増やしたいというよりは、将来的にファンド仲間を100万人まで増やしたいと思います。
一般にファンドの運用総額は基準価額と受益者数に比例します。さわかみファンドの場合、運用総額は2022年11月末現在3,463億円で、基準価額は31,078円、ファンド仲間数は約11万人です。当社の目標は10年後の基準価額が2倍、ファンド仲間数は約10倍の100万人ですので、目標が達成すれば運用総額は2×10=20倍の約7兆円に増える見込みです。しかし基準価額もファンド仲間数も、やみくもに伸ばすつもりはありません。「広く、深く、遠く」を睨んださわかみ独自の丁寧な企業選択と、長期投資の理念を理解していただいたファンド仲間からの支持がなければ7兆円など空虚なゴールに過ぎないからです。逆に言えば、当社の経営理念と運用哲学が日本全国に広まれば、7兆円は単なる通過点に過ぎません。日本にはおよそ4,900万世帯がありますが、どの世帯にも安心して保有できる長期運用のコア資産としてさわかみファンドが根付いてゆく将来を目指したいと思います。
運用総額が増えるということは、お客さまからの買付が増えているということ、また投資先の企業の株価が上がっているということです。いたずらな増加は望んでませんが、長期投資を前提とした資金流入による増加はありがたいことですし、お金を使うステージによる資金流出もまた嬉しいことです。私たちはファンドの運用資産を増やすことが目的ではなく、お客さまの資産を運用した結果でその総額が大きく膨らみ、最終的には基準価額の上昇に繋がるように頑張っています。お客さまが長期で買いたい!と思って買付していただき、その資金で応援投資することにより企業の株価上昇に繋がる、そして結果お客さまへリターンとして戻ってくる。このような循環で運用総額が自然と増えていくことがいいと思います。