セミナーQA集 『自立して堂々と生きていこう』
SEMINAR QA
前回のレポートを読み、「世の中をおもしろく…」の経営理念はどうして生まれたのか気になります。
- #会社全般
回答者による回答
実は現在の経営理念は約10年前につくり直したもので、創業当初は“財産形成のお手伝い”と“社会にお金をまわしていこう”が中心でした。どちらもお金に関する大切な理念であり、いまなお経営理念の2番目、3番目に記されています。しかし、それらを押しのけて1番目に『本格的な長期投資で世の中をおもしろくしていこう』を入れたのには大きな理由があります。
多くの日本人が抱える“お金の悩み”、“将来不安”。それらを解消することが、日本を明るくする一つの方法だと私たちは信じています。そして、それ故にさわかみファンドが存在しているのです。しかしお金の悩みから解放されたとして、本当に皆さまの人生は、そして日本はおもしろくなるのでしょうか?
私たち社員もまた、お客さまの金銭的不安を解消するという目線で終わってしまうのではないのか? 金融業はどこまでいっても金融業、そこから目線を広げられません。例えばカッコイイお金の使い方の提案、社会の仕組み、人が人を支えるという文化などは金融の枠を超えているものです。
私たちが前半10年超を経て得た武器が長期投資の具現化です。ファンド設定来、皆さまからの永いご支援によって相場の荒波を乗り越え、長期投資のリターンを実現することができました。そして同時に、私たちは投資先企業、その先の社会に想いを乗せることもできました。そこでわかったこと、それは長期投資とは金銭的なことを指す以上に、未来を育む行為であり、社会に参加する術だということです。その結果がリターンでありお金の悩みからの解放なのですが、世の中の成長なかりせば、いくら「単なるお金持ち」になってもお金の価値を発揮できないのです。もちろん投資なので金銭的リスクは伴います。しかしながら、そのリスクとはおもしろい世の中を創造するための“努力”なのかもしれません。
私たちが皆さまをファンド仲間と呼んでいる理由は、共に長期投資を通じて世の中をおもしろくしていく仲間になっていただきたいと考えているからです。おもしろい世の中とは、皆さま一人ひとりが夢を抱き、自身の人生を選別でき、生涯を楽しく過ごせる世の中です。そういったカッコイイ大人が溢れ、子どもたちが憧れられる世の中です。“おもしろい”はそれぞれ違っていい。皆が“おもしろい”と感じて、自立して堂々と生きていることが大切なのです。
10年超の時を経て、ようやくたどり着いた私たちの理念。究極的には、日本人全ての人がお金の悩みから解放されたとして、つまり私たちが投資信託事業を卒業しようとも、私たち『さわかみ投信』の存在意義は『本格的な長期投資で世の中をおもしろくしていこう』なのです。もしかしたらその時、社名から『投信』という文字はなくなっているかもしれません。