セミナーQA集 『自立して堂々と生きていこう』
SEMINAR QA
分配金を出さないことにこだわりがあると聞いたのですが、理由を教えてください。
- #投資運用
- #ファンド売買
- #商品性格
回答者による回答
かつて、毎月分配金を出すファンドが一世を風靡した時代がありました。その理由は、年金(または小遣い)代わりに預金口座に毎月お金が振り込まれてくる安心感だったと記憶しています。しかしそれは、まとまった資金をドサッと預け、その一部が毎月換金される高齢者向け商品だったからではないでしょうか? さわかみファンドには若い世代の方も多くいらっしゃいます。なんなら0歳児も…。未来に向けて資産をじっくり築いていこうと励んでいるそういった世代に対し、分配金によるファンド仲間一律取り崩しは百害あって一利なしなのです。
分配金を出すなんてもったいない! 運用益の分配であれば、分配時に“税金分”が削られ全体として資産は萎んでしまいます。一方、運用益を超えて分配すれば、元本を取り崩して支払っていることとなり、タコが自らの足を食べる「身食い」のようになります。投資の原則は、元手が大きければリターンも大きいということ。資産を萎ませることなく、身食いすることなく、全力で将来の可能性に乗った方が結果より大きなリターンにつながるのです。
投資信託における分配金とは、運用によって得られた収益や投資元本を、定期的に投資家に配当することを指します。一方で、解約(売却)という方法もあり、こちらは投資家が自分の希望に合わせて、必要なタイミングや金額で資産を引き出すことができます。この違いは、分配金が投資家の指定するタイミングや金額に左右されず、定期的に配当される一方、解約は投資家が必要に応じて自由に行える点にあります。
分配金を出さないことが、ファンド仲間の皆さまの財産をより多く増やせると思っているからです。分配金を出すと税金を納めなければなりませんが、そうすると税の繰り延べ効果というメリットが享受できません。税の繰り延べ、つまり税金の支払いを先送りすることで今ある資産の複利効果をより大きくするものです。分配金により一時的な満足感は得られるかもしれませんが、長い目では不利になります。また、さわかみファンドでは必要であればいつでも現金化ができますので、なおさら分配金を出す意味はありません。さわかみファンドでは、皆さまの財産を長期的に増やすための仕組みを整えているのです。
分配金を出さない理由はただ一つ、長期での財産形成に分配金は向いていないからです。突然ですが、ファンド仲間の中で最も利益を出している人はどんな運用をしていると思いますか? 諸説ありますが、そもそも口座があることを忘れている(けれども積立は継続している)レベルで口座をほったらかしている人が大きなリターンを得ています。分配金を出すということは、1年間運用して得たリターンの一部を強制的に売却するようなイメージに似ています。分配金分も含めてまとめて私たちにお任せください。塵も積もれば山となるというように、最初は少ない分配金相当額も、10年、20年と運用を続ければ大きな額となります。そんなほったらかし投資こそが長期投資の神髄です。
ファンド仲間の皆さまが活き活きと人生を謳歌していただくための財産づくりをお手伝いすることが弊社の理念です。そのために長期運用にてファンド資産・基準価額の最大化を目指しております。運用収益の一部を現金化して投資の原資とすることはあっても、分配のための現金化は行わずファンド内に留保し、元本そのものを大きくする運用を目指すことを徹底しております。
また、私の個人的意見になるかもしれませんが、お金を使いたい理由・引き出したいタイミング・金額は人それぞれです。大多数の投資信託が好きな時に好きな金額を解約できますので、人生に有意義な出費をしたい時に必要な金額を引き出せば良いのではないかと思っております。投資信託の運用会社が独自で決めたタイミングと金額を分配金としてはき出すのは、元本そのものを大きくする運用に反しているのはもちろんのこと、前述どおりの人それぞれの考え・都合も無視しているのではないかなと感じてしまいます。
分配金は、ファンドの純資産の一部を取り崩してお客さまにお支払いするというものです。さわかみファンドのような再投資型のファンドが分配金を出した場合、お支払いした分配金で再度買付するので、一見、お客さまの保有口数は増えますが、分配金を出した時点で利益が出ていればその分の税金が差し引かれ資産額が減ってしまいます。そのため無理に分配金を出すよりも、運用益や企業からの配当金を再び投資に回す方が複利効果を伴った効率的な運用ができるのだと考えております。設定当初は世間で毎月分配型のファンドが流行っていたこともあり、この考え方をなかなか理解してもらえなかったのですが、近年は分配金の仕組みも広く理解されてきているので、ようやく時代が追いついてきたなと実感しております。