セミナーQA集 『自立して堂々と生きていこう』
SEMINAR QA
投資することがなぜ企業の応援に繋がるのですか?
- #投資運用
- #商品性格
回答者による回答
上場企業の経営者は我々が想像する以上に孤独な立場です。立場上、茶飲み友達になって雑談する場面がありますが、真っ当な長期投資株主の支持は間違いなく経営者の心理的な支えになり、経営の安定感に繋がっています。こちらもなくてはならない商品・サービスを持続的に安定供給していただきたいので、一緒に良い世の中をつくって行きましょうの気持ちの繋がりを大切にしています。そういう肌触り感のある応援の気持ちをさわかみファンドは持ち続けていたいです。一般的には、投資のおカネが設備投資や株式交換などで吸収合併に貢献する場合もあるでしょう。また、ハゲタカファンド等への買収防衛策にもなるでしょう。間接的には良い人材が応募してくれる社会的信用を維持することにもつながるかもしれませんね。
• 投資家になる事で、企業のオーナーとなり、企業の株主として経営が歩む未来に関与できる。
• そして、その投資が長期であるほど企業の長期的な意思決定を後押しすることができる。
• そして、そんな長期投資家が集まれば、目先の利益を狙うアクティビスト的投資家からの買収を防ぎ、長期投資の視点での経営を実現するための一助となれる。
すなわち単に“投資する”ことではなく、長期で企業と伴奏する“長期投資家”とは、企業の事業成長を促進し得る応援隊にもなれるのだ!
すでに発行された株式を取引しているので、株価が上昇した場合も企業にとっては影響がないのではないか、との疑問だと思います。おっしゃるとおりで、増資など稀にある場合もありますが、その点で影響はないと言えます。一方で、株価は直接的な影響だけではなく、株価の先には企業があり、そこで働く人がおります。自分が一生懸命に働いている企業の株価が下がっていくのはどのような気持ちでしょうか。企業活動とそこで働く人への応援としての株価の影響もあるのではないでしょうか。長期投資家として、よりよい社会を創るために投資をすることは、応援とともに自分が起こせる行動の一つだと思いませんか。
ご存じかもしれませんが、すでに上場している企業への投資では、投資したお金が直接企業に渡るわけではありません。しかし、企業においてどんな株主がいるのかは事業戦略にも影響してくるほど大切なことです。例えば、ある企業の株主が自分たちの利益しか考えず、企業が持っている現金を還元に回せと要求したとしましょう。企業にとっては戦略的に使おうとしていた現金にもかかわらず、時間軸の違いから意見の相違が生まれ、企業価値向上を目指せないような状況になってしまいます。私が常日頃思うのは、企業に社会的責任があるように、投資家にも世の中を良くしていく社会的な責任があると考えています。それこそが、投資家がこの世に存在する意味だと思うからです。
投資をするということは、単にお金を出すだけでなく、その企業の未来を信じて支援する行為です。まず、投資をすると企業の株主になることができ、株主は企業の方向性の意思決定、つまり議決権行使ができます。長期的な視点で投資する株主が増えると、企業は短期的な利益追求に追われずに、新しい技術やサービスへの投資、従業員の福利厚生の向上など、持続可能な成長に必要な活動に集中できます。世の中の多くのファンドは1年や2年でパフォーマンスを求められ、必ずしも長期思考ではない傾向があると考えられます。また、最近人気があるインデックスファンドはどれも似たような行動になり、投資に色がついていないと考えます。長期投資家は、投資に思いをのせ、長期目線で企業の経営に対して、議決権行使という形で意思を示すことができます。これが、企業の応援につながるのです。長期投資家が増えることで、企業は安定した経営を続け、社会に貢献する製品やサービスを提供し続けることができると考えます。つまり、投資は企業の長期的な成功を応援し、その成果を共有する手段となるのです。
株式を売買する市場は大きく2つに分かれます。発行市場と流通市場です。自動車の購入に例えますと、発行市場は「トヨタの新車を買う→トヨタにお金が回る」、流通市場は「トヨタの中古車を他人から買う→他人である元オーナーにお金が回る」となります。日常の株式売買のほとんどの割合は流通市場です。「それだったら流通市場の場合はトヨタの応援にならないのではないか」となるかもしれませんが、自動車と違い株式の場合はまた話が別です。発行市場であろうが流通市場であろうが株式を購入した人はその企業のオーナーとなります。企業経営者はその企業の経営方針・経営理念を理解してくれるオーナーが増えることを望みます。それを理解せず利己的なことばかりを要求するオーナーが占めてしまえば経営方針・経営理念を守り通すことが困難になります。その企業の価値に共感し、寄り添うオーナーになることが応援に繋がります。逆説で申しますと企業は投資家の投資意欲・興味を誘う経営ではなく、共感されるような価値を提供し続ける経営でなければならないとも言えますね。
株価は企業価値に等しくなると考えられています。ところが株価は不安定なので、企業価値を下回ることもあります。その状態が長引くと、信用に傷がついたり、銀行からの融資が困難になったり、最悪の場合には倒産してしまう恐れもあります。株価が下落するにはそれなりの理由があるのですが、それを突き止めた上で何も問題がないのに株価だけが下落しているならば、その企業がこれからも事業を行っていけるよう、応援の気持ちを投資に乗せて表現できると思います。
資本主義時代では、経済生産は主に二つの要素、労働と資本から生じます。生産性の向上とともに、労働と資本が増加すると生産量も増加します。従業員の貢献は明確ですが、株主の役割は間接的な関係のため理解しにくいものです。株主になることは株価を上昇させ、それによって会社の資本を増加させます。なぜならば資本が増えると、会社はより多くのお金を借り入れたり、高い価格で新しい株式を発行することができます。このプロセスは、機械、建物、知的財産などの生産手段の増加に寄与します。株主になることが社会に大きな影響を与えることを認識してください。このためにさわかみ投信は、日本社会に経済的および社会的価値をもたらす企業を慎重に選んでいます。